異国で日本語を教えた時のこと⑤2023.08.22 00:00↑続きです。日本語講座には最終的には6〜7名が集うようになっていた。そして3ヶ月後、最初の取り決め通り、無事終焉を迎えた。最後のレッスンが終わってから。充実感と共に図書館を後にし学生寮に帰ろうとした時、ケイレブが「Y、送っていくよ」と来てくれた。並んで歩きながら改めて「楽しい時間...
異国で日本語を教えた時のこと④2023.08.21 00:00↑の続きです。生徒が増えるに従って、私はテキストを工夫せざるをえなくなった。ケイレブだけの時はテキスト一冊を互いに覗き込むようにして使用できたけれど、3人以上になるとそれは難しい。N大は大きな図書館を有してはいたけど、流石に日本語の学習テキストはない。だから私は自作した。といって...
異国で日本語を教えた時のこと③2023.08.18 00:00↑の続きです。「バリバリ関西アクセントでリピートさせてるんだもん、笑っちゃった」とミキさんに指摘された私だけど、もう開き直ってしまった。だってどうしようもなくない?随分のちになって(というか比較的最近のことだけど)私は司会業をほんの少し齧ることになり、その際日本語の発音のトレーニ...
異国で日本語を教えた時のこと②2023.08.14 14:41↑続きです。そんなわけで、私は「日本語講座」のボランティアをすることが決まった。ちょっと困ったのは、教材・教具がひとつもなかったこと。クミコさんに相談したところ、ケイレブが持っているらしいとのことだった。去年のアウトリーチ合宿で東京に行った際手に入れた「外国人のための日常会話」と...
異国で日本語を教えた時のこと2023.08.10 06:48↑の続きのようです。課題に追われ、ひたすら寮とキャンパスとを往復するだけだったけれど、毎日それなりに楽しかった。キャンパスを歩けば色んな人が声をかけてくれる。オリエンテーションクラスの仲間。寮のウィングシスター。ルームメイトやそのともだち。ゼミの隣の席の生徒。広い敷地内を歩きなが...
誰と時間を過ごしたいのか〜ココアの思い出〜2021.12.20 00:20先日、ここ関西でも雪が降った。 冬が深まるに連れて、寒さは厳しくなって来たが、雪が降った日の寒さは格別である。そしてこう寒くなると温かい飲み物が欲しくなる。「ココア」は代表的なホットドリンクでなかろうか。今日はココアの思い出を話したい。私が初めてココアを飲んだのは、確か5歳だった...
北米カナダ、新緑の森の中で過ごした日々2020.10.11 08:05留学中の長期休暇にカナダの友人宅に滞在したことがある。友人と言っても祖父母の世代のご夫妻。当時70代の二人のご厚意で、クリスマス休暇を過ごさせてもらった。ブリティッシュコロンビア州の半島にあるギブソンズという港町は、中心地バンクーバーからフェリーで行く。同じ州内でも陸路だと遠回り...
チャンスの前髪をつかみ損ねた話2020.09.15 08:05高校3年でアメリカの大学へ進路を決めたとき、帰国子女の友達に「日本人の女の子って人気があるよ。Yに金髪碧眼のカッコイイ彼氏ができたら、必ず教えてね!」と激励の言葉を受けた。確かにアメリカの男性は紳士が多い。手荷物をたくさん抱えていてもドアを開けて先に女性を通すし、列に並ぶときもレ...
“ああ、私の女主人さま!”③2020.08.31 08:05こうしてイニシエーションウィークが始まった。始まったと思ったら、目を丸くするような奇抜な格好の人や、なんの脈絡もなく地面に転がったり飛び上がったり叫んだり踊ったりする学生や、その他ものすごく馬鹿馬鹿しいこと(すみません)をしている奇妙な学生を大学のあちこちで目にすることになった。...
“ああ、私の女主人さま!”②2020.08.30 08:05大学の音楽室はハロウィン前夜のごとく不穏な空気に包まれていた。私はティナたち招待状を受け取った数名のフレッシュマンと顔を見合わせ、緊張しながら扉をノックした。「入れ」との返事。扉を開ける。中は薄暗い。驚いたことに入り口付近から左右にズラリとBeta Beta Sigmaの会員達が...
“ああ、私の女主人さま!”①2020.08.29 08:05アメリカの大学には社交クラブがある。男子学生の社交クラブはフラタニティ、女子学生の社交クラブはソロリティという。簡単に言えば非常に結束の固い部活動のようなものだろうか。誰でも入れるわけでないところが部活動との大きな違いだ。程度の差はあるが、入会には条件が伴う。会員たちに認められた...
マイ・センチメンタル・ジャーニー2020.08.26 08:05大学には長期休みが度々あった。夏休みは3ヶ月、感謝祭と復活祭休みが1週間、クリスマス休暇は約1ヶ月。アメリカの学生は学生寮で生活しているので、休みになるとそれぞれ故郷に帰る人がほとんど。私のような留学生たちは、帰国するか、旅行をするか、知人宅に滞在させてもらうか、選択を迫られる。...