初めて訪れてより、賑やかで活気があるのにどこか懐かしさを感じる台北にすっかり「ハマって」しまった。飛行機で3時間弱という近い外国は、週末の弾丸トリップにもちょうどいいけれど、できれば3泊4日は過ごしてほしいと思う。観光名所を回るのもいいし、夜市でB級グルメに舌鼓を打つのもいい、街歩きをして可愛い雑貨やカフェを見つけるのも楽しい。
ひとつは「台湾人と間違えられる」ことが非常に多いこと。なぜだか知らないけれど街を歩いているとしょっちゅう現地の人だと思われる。かき氷店のウエイトレス、雑貨屋の前でチラシを配っている店員、街中で道を聞いてくる女性…数えきれない。大抵はナチュラルに現地の言葉(台湾語)で話しかけてくる。私は台湾語が全くできないので英語で「ごめんなさい、わからないです。」と言う。するとほぼ全員が「またまたぁ!」というような雰囲気の台湾語で笑いながら突っ込んで来る。「何、言葉がわからないふりしてるのぉ!」と畳みかけてくるので、「いえ、本当です!私は日本人ですから、全然言葉はわからないんです、ごめんなさい!」と必死で伝える。そこでようやく相手は理解してくれるのだが「この人が台湾人じゃないなんて…まさか信じられない。」と表情で伝えてくる。台湾の人は感情が顔に出やすいな。ペコっと一礼して離れ、少し歩いて振り返ると先ほどの店員さんが同僚と一緒に呆然とこちらを見ていたりする。絶対に「あの人日本人だって。全然見えなくない?」とか言ってそうだ。以前など中華航空のCAさん(台湾人)に台湾人と間違えられたこともあった。面白い経験だったが、長くなるので割愛する。とにかく、渡航する度「同胞」に間違っていただく光栄を得ているのだから、私が台湾に親しみを覚えないはずがない。
もうひとつの理由は、台湾人の人柄。台湾の方たちは概して、素朴で素直で、親切な人が多い。海外では日本人旅行者相手に良からぬ企みを持つ者も少なくはないけれど、台湾では、これまでそういう人に出会ったことがないなと思いかえす。珍しいと思う。
街をウロウロしていると、声をかけてくれるお年寄りに時々出会う。若い世代は私を台湾人と間違うことが多いが、お年寄り世代は日本人だとひと目で見抜くようだ。いつだったか赤い提灯が揺れ線香の香りが漂うお寺の前で座っていた一人の老婆が、私を見つけるなりよっこいしょと立ち上がった。彼女は日本語で問うた。「日本、来た?どこ、いく?今、どこ、行く?」「いろいろ、回っています。台湾は、素敵な、ところですね。大好きです。」私の答えに、老婆はしわだらけの顔に埋まるほど目を細くした。優しいほほ笑みだと思った。
あの時以来、台湾は日本にとって特別な国であると私は思っている。
Be ambitious, boys and girls!
0コメント