ザ・ビッグ・ホワイト・バード

私の住む地域ではそろそろ稲刈りが終わったようだ。


少し前まで重そうな穂が黄金のうねりを見せていた田は、全て刈り取られている。しかし空っぽに見える田に度々お客さんがたたずんでいるのが見える。大きくて白くてすらっとスリムな鳥である。実はもう少し前、稲が少しずつ頭を垂れてきた夏の終わり頃に見つけて興味を持った。初めてではなかったはずなのに、その時は何という鳥だったかすっかり失念していた。


だから1ヶ月ほど前、その鳥を見かけた私は得意げにその日の授業で生徒たちに「いやあ今日、ハクチョウを見ちゃってさあ。」と話した。彼等の驚きは大きく「え、スゴイ!白鳥ってこの辺にいるの?」「どこで見たの?」「どんな大きさ?」と口々に尋ねてきた。「それがさ、その辺の田んぼの中にシュッと立っててさ。真っ白で細くって綺麗だったよ。」という私の答えに「なんだ先生、それサギだよ。」「シラサギ、っていう鳥だよ。」「白鳥じゃないよ。」と急にみんなはガッカリした様子になった。シラサギ?白鳥じゃないの?なんか、ごめん。


授業を終えてから早速ネットで「サギ 白鳥 違い」と検索してみた。もしかしてひょっとして万に一つはあの私が見た白く気高い鳥は白鳥かも知れない。という淡い期待に反して出るわ、出るわ。サギと白鳥の見間違い(というか勘違い)の報告。あちこちのブログで「さっき白い鳥を見たので白鳥かと思ってたら、妻曰わく、シラサギって言う鳥なんですね。」とか「昨日撮影した鳥は、白鳥ではなく実はシラサギでした。お詫びします!」とか。もう少し詳しく調べて見たところ、サギは日本に生息する鳥で、白鳥はシベリアから冬の短い期間日本へやってくる渡り鳥だそうだ。また、サギは細い足で歩いて、白鳥は水面を泳いで移動するらしい。そういえば、昨日見たあの白い鳥は、細くて長い足で田んぼの中をややうつむき気味に歩いていた。またもうひとつ面白いと思ったのは、白鳥は飛ぶときは首を真っ直ぐにして飛ぶ。反してサギはS字型に首を曲げて飛ぶということ。参照の写真を見て、「あ、この鳥を何十回見たことがあったことか…」とかつての通学路を思い出した。自然豊かな町を故郷として育った身としては、サギを白鳥と見分けられなかったなど痛恨の極みであった。


かくして、サギについてちょっと詳しくなったので、勝手に親しみを覚え、刈り取られた後の田んぼを悠々と闊歩している白い大きな鳥を見ると、つい目で追いかけてしまう今日この頃なのである。


Be ambitious, boys and girls!


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