空の旅の極意

私は飛行機が好きである。

だから旅といえば、電車でも新幹線でも船でもなく、とにかく飛行機なのだ。日本は海に囲まれた島国だから、外国へ行く手段は飛行機か船しか選択がない。海外旅行を企画するたびに「いやぁ、今回はどんな飛行機に乗れるんだろう」とワクワクしながらネット検索をする。

思うに人間は太古の時代から空への憧れを持ってきたのではないだろうか。ロウで固めた鳥の羽で空を飛ぼうとした伝説の挑戦者イカロスしかり、飛行機を発明したライト兄弟しかり。人類は大空を飛ぶことを夢見、その願いを飛行機という形を通して実現してきたように思う。

ところで快適な空の旅をするためには少々のコツがある。今日はそれを書き留めておきたい。参考までに、これはエコノミークラスを想定して書く。

まず、機内での格好。旅に出るからといって流行の服は厳禁である。お洒落な服というものは、布切れの面積が狭いものが多い。肩やお腹が覗くデザインで寛ぐことは難しい。なおかつ飛行機の中は結構冷える。だから、綿素材のパーカーにスエットパンツなど、暖かく、柔らかくて肌触りが良く、ゆったりとした作りのものがおすすめ。ジャージでも良い。デニムパンツなどはもってのほか。空気の薄い上空では体はむくみやすいため、デニムのような硬い素材だとたちまち足がパンパン。ものすごく座りづらくなる。ソックスは締め付けない柔らかいタイプのもの。靴は楽なスニーカーを履いておくか、折り畳めるスリッパを持参して履き替えよう。ポイントとなるのは「体を締め付けない、ゆったりとした格好」を基準にすと間違いがないだろう。ただし、どんなにリラックスできる格好とはいえ、自宅にいるわけではないので、ボロボロの家着などはもってのほか。最低限は周りに配慮したいので、楽でも外を出歩ける服装を心がけよう。

次に座る席。
予約の段階で席を指定できる場合も、当日航空会社の空港のカウンターで、選ばせてもらえる場合もあるが、スタッフさんにお任せにせず、出来るだけ自分のニーズに合った場所を選んでおきたい。

座席はざっくり分けると、通路側と真ん中と窓側がある。私のお勧めは通路側。機内ではトイレに行くことが必須だが、通路側だと、誰に遠慮することなく席を離れることができる。真ん中や窓側の座席は、移動する度、隣の人たちに移動してもらわねばならない。毎回頼むのは煩わしいし、隣の乗客が眠っている場合、起こすのも一苦労である。やはり、楽に動ける通路側が良い。ただし、一つ例外がある。初めて飛行機に乗る人や、離陸や着陸の風景をどうしても見たい、と思われるなら窓側をお勧めする。雲の上の青空から降下し、まだ見ぬ外国の土地が、街が、建物が、近づいてくる様子はえもいわれぬ感動を呼ぶ。ぜひ、窓側で堪能しよう。

昔、UAE、アラブ首長国連邦のアブダビに降り立ったことがある。飛行機が雲を潜って降下したとき、砂漠、砂漠、砂漠。足元に見える世界は、薄茶の砂が広がっていた。砂漠には大きな石造りの邸宅が立ち並ぶ。記憶違いでないなら、ゆっくりとラクダが歩いている姿を見た。見慣れたものと180度違う景色をに心動かされたものだ。


長くなったので、続く。

Be ambitious, boys and girls!

Be ambitious, dear friends.

現役英語講師の頭の中。