友と再会した話

心友(親友)の亜美ちゃんが帰省した。

私たちはかつてユニットバンドを組んでいた。亜美はたった数日の慌ただしい帰省でも、家族との旅行や親戚や地元の友達との交流の合間をぬって会う時間を作ってくれる。今回はコメダ珈琲で昼カフェをした。私の注文、最初はホットのレモンティー。


実は亜美には2ヶ月前にも会っている。6月、私は急に思い立って、横浜在住の彼女に会いにプチひとり旅をしたのだ。いつもは数時間のお茶が常だけど、この日だけは、朝から夜中まで中華街やみなとみらい周辺で遊びまわった。普段、夕方以降は家族の世話で追われる亜美と、その頃はまだ仕事をしている私なのだから、2人で「夜遊び」だなんて、あまりにも珍しく楽しく貴重な時間だった。バンド時代会えば夜中までず~~~~~っと語っていた頃を思い出した。


「亜美ちゃんさ~」と私は話す。「6月の旅行の時、覚えてる?ほら、あの美容院で。」横浜で2時間だけ別れて行動した。亜美が家族の用事を済ませる間、私はひとりで周辺をうろつくことにしたのだ。が、特別に行きたい場所があるわけでなかった私は、良さげなヘアサロンを探し、待ち時間にトリートメントとブローの予約を入れた。


方向音痴の私を気遣い、亜美は親切にもサロンの近くまで連れて行ってくれた。着いた場所はビル。2階に目当ての店舗が入っているらしい。そこで彼女が真剣な顔つきで放った言葉が私をものすごく笑わせたのだ。「Yちゃん、1人で行ける?お店の中まで付いていってあげようか?」ですと。


あの、亜美ちゃん。私は大人なんですよ。なんなら成人式を2回は終えてますけど?「アハハ、そりゃそうだ」と涙が出るほど大笑いを爆発させる友を見て、ああ亜美ちゃん、と私は思った。何ていうか。あなたはこうなんだよ、昔から。側にいる誰かを姉のように母のように、傷つかないように怖がらないように大切に守ろうとしてくれる、そういう優しい人なんだよなと。ちょびっと私に過保護すぎるけど。でも、彼女ほど温かい愛情をもって子ども達や家族・友人たちに接する人を、私は知らない。今のだって、彼女の素なのだ。


実は6月頃の私には色々考えることがあって、ちょっと頭を切り換えたかった。

横浜で美味しいものをたくさん食べて綺麗な夜景をたくさん見て、大好きなともだちにあれこれと世話を焼いてもらい、心ゆくまで話して遊んで笑って泣いて、ってしたことは、自分の夢を新たにし元気を取り戻すきっかけになった。


ともだちにしてもらうことは多い、と思う。だけど、反対に私がともだちにできることは何だろう?


誰かを大切に感じている気持ちを、想いだけでなく行動で示せるようになりたい、と思った昼カフェだったのです。